スマートフォンが普及し、SNS(会員制交流サイト)も身近なものになってきた現在、ネットで誹謗中傷された経験がある人も増えているのではないでしょうか。
今回はネットでの誹謗中傷はなぜ起きるのか、ネットで誹謗中傷する人の心理や被害に遭った場合の対処について考えます。
ネットだからバレない、と軽い気持ちで誹謗中傷すると罪に問われる可能性もあるのです。
Contents
ネットで誹謗中傷する人の心理
なぜ、ネットでの誹謗中傷が起きるのか?ネットで人を誹謗中傷し、攻撃する人の心理について考えてみます。
不満感、劣等感、嫉妬心を抱きやすい
ネットで人を誹謗中傷する人は実生活の中で何らかのコンプレックスを抱えている人が多いようです。
「仕事がうまくいっていない」「恋人がいない」「収入が少ない」などの不満をかかえている人は「仕事がうまくいっていて、高収入、恋人もいて毎日が充実している」人を見ると劣等感を刺激されます。
そして、嫉妬して攻撃的な言動を発してしまう可能性が高まります。
劣等感を刺激されずに済めば誹謗中傷するという結果にはならないのかもしれませんが、SNSが生活の中に入り込んでいる中で、自分よりうまくいっている人が目に入ってしまうという側面もあるのかもしれません。
自分こそが正しいという正義感へのとらわれ
今日行った店がひどい接客だった、バイト先で理不尽な扱いを受けている…。
自分のように困る人を減らしたいという「正義感」から、「あそこの店の店員がひどい」「○○はブラック」とSNSや口コミなどに書き込む。
書き込む側からすると「正義」のつもりかもしれませんが、思い込みがあったり、冷静さを欠いていたりするかもしれません。
書かれた側からすれば誹謗中傷にあたる可能性もあります。
愉快犯、ストレス解消
ネットニュースのコメント欄などを見ていると、頻繁に人を誹謗中傷している人がいます。
そういう人はネットで人を攻撃することで日頃のストレスやうっぷんを晴らしている可能性があります。
相手からの反応を楽しむ愉快犯であることも多く、相手をすると、ますますエスカレートする傾向があります。
匿名でばれないと思っている
ネットは匿名性が高く、掲示板などに書き込む際に名前などを明かすことはあまりありません。
また、実際に面と向かって話すのとは違い、相手の反応が見えないため、相手の気持ちを考えなくて済む面があります。
そのため、面と向かっては言えないようなひどいことでも簡単に言えてしまうのです。
バレない、相手の反応が見えないために軽い気持ちで誹謗中傷しがちであるといえます。
ネットでの誹謗中傷は罪に問われる可能性も
ネットだからバレないだろうと誹謗中傷していると、罪に問われて逮捕される可能性もあります。
人を誹謗中傷する行為は名誉棄損罪、侮辱罪、脅迫罪などの罪に問われることもあります。また会社や店などを誹謗中傷し営業に悪影響が出た場合は、業務妨害罪で訴えられることもあり得ます。
闘病中の有名タレントのブログに「死ね」「消えろ」などと書き込んでいた主婦が脅迫の容疑で書類送検されたことがあります。
また、SNSに誹謗中傷を書き込まれた高校生が自殺し、その亡くなった高校生に対して書き込みをした19歳の少年が名誉棄損の疑いで逮捕されたこともあります。
ネットでの誹謗中傷は逮捕されるだけでなく、時には人を殺すような深刻な事態を招くこともあります。
ユーザーとインターネットの世界を接続するプロバイダー業者は、警察などの求めに応じて利用者の情報を提供するため、決して匿名の世界ではないのです。
ひだかあさん
ネットで誹謗中傷されたときの対策とは
ネットで誹謗中傷されてしまったら…。そんな時はひとまず、落ち着いて対処を。
ネットで炎上していると多くの人に誹謗中傷されているのではと不安に感じるかもしれませんが、ネットでの炎上(否定的なコメントが殺到すること)は、ごく少数の人間の連続した書き込みで引き起こされることも多いのです。
あまりにも執拗、悪質だと思ったら警察や弁護士などへの相談も検討しましょう。
無視する
ネットで誹謗中傷されたら、まずは無視をして気にしないようにしましょう。
ネット上での誹謗中傷をする人は反論するとますますエスカレートし、炎上する可能性が高まります。
炎上を引き起こしている人は実はごく一部の人で、アカウント名を変え、何人もの人が書き込んでいるように見せかけていることもあります。
住所や氏名などの個人情報がさらされるなどの実害がなければ気にせず、静観するのも一つの手です。
度が過ぎれば法的手段も
あまりにも執拗、悪質、個人情報をさらされるなどの被害がある場合は警察や法務局の人権擁護相談窓口、弁護士などに相談をしましょう。
警察、法務局は無料で相談に乗ってもらえます。
- 法務局人権相談の案内(法務省)
- インターネット安心・安全相談(警察庁)
ひだかあさん
一人で悩まず、専門家や公的な機関の力を借りましょう。
しかし、誰が書き込みをしたかは調べれば分かりますし、罪に問われることもあります。