犯罪者の行動は複数のパターンがある!犯罪者プロファイリングとは

法によって定められたルールを犯し、刑罰の対象となる犯罪者。毎日のように流れる事件に関するニュースは犯罪者の数を物語っています。

「なぜ、犯罪者は犯罪を犯すのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

事件ごとには全く繋がりがなくても、実は犯罪者の行動は時期・犯罪傾向・犯罪内容で複数にパターン化されているのです。

そこで、今回は犯罪者のパターン、犯罪者を導き出すプロファイリングについて紹介していきます。

発現時期により分類される犯罪者になる3つのパターン

人が犯罪者になるのは基本的に「早発持続型」「遅発持続型」「遅発停止型(一過性)」の3つにパターン化されます。

1.早発持続型

比較的若い年代で犯罪を行うようになり、その後何度も犯罪を繰り返すパターン。

早発持続型に部類される人の傾向としては、小・中学生や高校生の頃からタバコ・飲酒・万引き・夜遊びなどの非行を繰り返し、周囲からは「非行少年」「不良」などと呼ばれていた人が多いです。

しかし、「非行少年」「不良」の全員が早発持続型になるわけではありません。

周囲からの適切な働きかけや少年院などでの指導を経て、立派に社会復帰する人もたくさんいます。

2.遅発持続型

ある一定の年齢に達した際に犯罪を行うようになるパターン。

遅発持続型の人は仕事がうまくいかなかった時、誘惑に負けてしまった時などに初犯を犯してしまい、それ以降継続的に犯罪を繰り返してしまう傾向があります。

一定以上の年齢に達した状態で犯罪に走るので、仕事・信頼・家族などを失い、その失望感から再び犯罪を繰り返すようになってしまうのです。

この負のスパイラルから逃れるには、居場所を確実に作り、犯罪に走らないで済むような行動が取れるように支援することが重要と言えます。

3.遅発停止型(一過性)

魔が差して一時的に犯罪に走ってしまったが、その後は普通の生活に戻るパターン。

遅発停止型の人は自分が犯した罪に対して真剣に向き合い、更生し、その後は犯罪とは無縁の生活を送る傾向があります。

犯罪から立ち直るには自分自身の意識が最も大切ですが、周囲からのサポートも必須です。

犯罪傾向により分類される2つの型

犯罪を犯す傾向によっても「単一犯罪反復型」「多種方向型」の2つの型に部類されます。

犯罪者の犯罪傾向は必ずこのどちらかに分類されるので、ニュースなどの情報から対象の事件の犯罪者がどちらの型に当てはまるのか知ることもできるでしょう。

1.単一犯罪反復型

同一の犯罪を何度も繰り返すのみで、他の犯罪を行わないパターン。窃盗なら窃盗を何度も繰り返し、 薬物なら薬物を何度も繰り返すというように、同一の犯罪を反復します。

痴漢の常習者などもこの単一犯罪反復型に分類されることが多いものと思われます。

2.多種方向型

一つの犯罪を繰り返すのではなく、薬物・性犯罪・窃盗・傷害など様々な犯罪行為を無作為に繰り返すタイプ。多種方向型の人は犯罪自体を軽視しており、刑務所を出所した後も何度も犯罪に手を染める傾向があります。

犯罪内容で分類される3タイプ

犯罪の内容もパターン化されています。単独犯型・共犯型・混合型といったそれぞれの犯罪内容について深堀していきます。

1.単独犯型

一人で犯罪行為を起こす「単独犯型」。

単独犯の中には,最初から一人で犯罪を行うパターンと、最初は人と一緒に犯罪を行って手口を学習し、次第に一人で行うようになっていくパターンがあります。

その理由として、例えば窃盗だと、人と一緒にやると自分の取り分が少なくなるが、一人でやればまるまる自分のものにすることができる、人に気を使わなくて済むなどといったものがあります。

単独犯の中には計画的に行う場合もありますが、思いつき・突発的に犯罪行為に及ぶことも多くあります。

少年非行の場合は8割近くが、成人による犯罪の場合は9割前後が単独犯型であるのが現状です。

2.共犯型

複数人で犯行を遂行する「共犯型」。

同じ犯罪意欲を持った人々が集まって犯罪を侵すのがほとんどで、リーダー的な役割を担っている者を主犯 、それに従って行動する者を従犯と言うこともあります。

犯罪白書によると、未成年者の事件の2割程度、成人による事件の1割程度が共犯で犯行に及んでいます。

最近ではSNSやネットなどを通して知り合い、一緒に犯行を行うという事例もあるようです。

3.混合型

状況などにより都度人数を変更して犯行を行う「混合型」。

犯行内容を練って計画的に遂行されている事件が多く、卑劣な事件内容がほどんどです。

また、複数で犯罪を犯す場合は一人あたりの犯行への意識を軽減させる傾向があり、初犯の人でもグループに混じることがあります。

プロファイリングとは?

プロファイリングとは行動を調査され、分類されること。

例えばインターネット上では、ユーザーがどんな検索を行なって、どのページに、何分滞在したかなどのデータをプロファイリングされています。

また、誰もが利用しているLINEでもどんなスタンプを購入して、誰にどんなメッセージを送ったか、何を購入したかなどのプロファイリングが行われているのです。

データに基づき導き出される犯罪者プロファイリングとは

犯罪者の行動に対してもプロファイリングが行われています。それを犯罪者プロファイリングといいます。

犯罪者プロファイリングには2つの系統が存在し、統計的に見ていくものとパターンから推測していくものがあるのです。

上記で紹介した犯罪内容や犯罪傾向も犯罪者プロファイリングで必要となる情報の一つで、事件が発生した場合プロファイリングのデータから誰が関わっていそうか、誰の犯行である確率が高いかなどの検討や調査を行います。

最近では様々なシステムがデータ化されているため、より犯罪者プロファイリングの精度が高まってきていると言えます。

まとめ:犯罪者になるパターンを知ることとそれにとらわれないことが大切

犯罪者になるパターンを知ることは大切ですが、一概にパターンに当てはまらないケースも存在します。そのため、パターンにとらわれすぎないということも重要です。

 

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