【児童相談所】児童福祉関係で犯罪心理学を活かせる職場

児童相談所というと、子どもへの虐待に対応する機関というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。

実は虐待への対応だけでなく、非行や不登校、いじめ、子どもの発育に気になる点など、子どもについての色々な相談に応じているのが児童相談所なのです。

規模の大きな児童相談所には児童福心理司以外に心理療法士として臨床心理の専門家が働いていることもあります。

今回は犯罪心理学や心理学を学び、子どもに関する仕事を考えている人に向け、児童相談所の業務内容について解説します。

児童相談所とは

各都道府県・政令指定都市など全国219か所(令和2年4月1日現在)にあり、0歳から18歳(ところによっては20歳)までの子どもに関する問題であれば子ども本人、親、周りの人など誰でも相談できる行政機関です。児童相談所には児童福祉司、児童心理司など専門の職員がおり、相談に応じています。子どもの発達、不登校、いじめ、里親などの問題、虐待などのほか非行、犯罪に関する相談も受けています。

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ひだかあさんのコメント

児童相談所では虐待だけでなく、非行その他の問題行動、子どもの発達など子どもに関するいろいろな相談に対応しています。

児童福祉司

児童相談所で中心的な役割を担っているのが児童福祉司です。子どもの福祉のための相談を受ける、調査、役所や鑑別所などの関係機関との調整等業務は幅広いです。「児童福祉司」というのは「任用資格(公務員が特定の業務に任用されるときに必要となる資格)」で公務員となってから適用される資格です。

児童福祉司の仕事

子ども、親からの相談に応じるほか、虐待が疑われ、子どもを保護するための場合の調査なども行います。児童相談所には非行や心身の障害など事情を抱えて相談に来るケースがほとんど。そんな中で子どもや親の話を聞いて調査を行い、専門家らと生活の立て直しや問題解決のための援助を行います。

児童福祉司のなり方

まずは地方公務員試験に合格しなくてはいけません。その上で、大学で心理学、教育学、社会福祉、児童福祉などを学び厚労省が認める福祉施設で1年以上の経験を積んでいる、医師や社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を持っていることなどが任用される要件となっています。

児童心理司

「児童心理司」も児童福祉司と同じく公務員となってから適用される「任用資格」になります。以前は「心理判定員」と呼ばれていましたが、厚労省の児童相談所運営指針の改正により2005年から「児童心理司」と呼ばれるようになりました。相談を受けた子ども、家族全体の心理診断、カウンセリングなどを行います。

児童心理司の仕事

相談を受けた子ども、親、家族の心理状況を把握するために面談や心理判断を行います。必要があれば心理療法、カウンセリング、助言も。児童福祉司や他の専門職員とともに問題の原因を探します。

児童心理司のなり方

児童福祉司と同じく公務員になってから任用される「任用資格」なので、まずは公務員試験に合格しなくてはいけません。そのうえで、大学や大学院で心理学を専攻、医師、精神保健に関して学識経験があるのが任用の要件になっています。臨床心理士の資格を持っている職員も珍しくありません。

児童心理司以外の臨床心理士がいる児童相談所も

児童心理司で臨床心理士の資格を持っている職員もいますが、それ以外で心理療法士として臨床心理士が働いている児童相談所もあります。児童相談所の中には一般の相談だけでなく、24時間体制で電話相談に対応している所もあり、24時間体制の児童相談所で相談員として臨床心理士が働いていることもあります。

このような場合、嘱託職員などで有資格者を優先して採用されることもあります。欠員が出た場合に募集がかかるので、関心がある人は児童相談所に直接問い合わせてみることをおすすめします。

参考URL

・全国の児童相談所所在地(厚労省ホームページ)

・児童相談所運営指針について(厚生労働省令和2年3月)

ひだかあさんのコメント

児童福祉司も児童心理司は両方も職員に採用されてから資格が与えられますが、任用される前の経験が重視されています。犯罪心理学との関連も深いのですが、対象者の年齢や相談内容も多岐にわたりますし、対象者や関係者と良好なコミュニケーションをとることも大切です。良かれと思ってしたことも、拒否されたり罵声を浴びせられるようなことがあるかもしれません。それでも「子どものための仕事がしたい」という思いがあり、色々な苦労をいとわないという人にはおすすめできる仕事です。

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