児童相談所とは?主な3つの役割と覚えておきたい電話番号「189」

よくニュースで耳にするようになった児童虐待。その児童虐待のニュースで必ずといっていいほど取り上げられるのが児童相談所の対応です。

「児童相談所の対応が不適切」「十分な措置がされていなかった」といった内容に焦点が当てられますが、そもそも児童相談所についてよくわからないという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、児童相談所の役割や問い合わせ番号「189」について紹介していきます。

児童相談所とは?

児童相談所とは児童福祉法に基づき、0歳〜18歳未満の子どもの権利を守り子ども家族の援助を行うことを目的に、各県に設置されている児童福祉専門機関のことを示します。

近年は、児童相談所が青少年相談センターなどの機関と統合されて運用されていることも多く、対象年齢が20歳未満となっている機関もあります。

2018年10月1日現在では各都道府県に1施設以上、全国で212か所の児童相談所があります。

24時間365日児童虐待や子どもの教育方法などの相談を受け付けており、随時的確なアドバイスや必要がある場合は介入を行うなどが主な業務です。

児童相談所の主な3つの役割

児童相談所は大きく分けると3つの役割、「指導・措置」「家庭や子どもについての相談」「子どもの一時保護」を担っている機関です。ここでは3つの役割について深掘りして解説していきます。

1.指導・措置

虐待が原因で児童がなんらかのダメージを受けるのを避けるために、虐待の可能性がある家庭へ訪問・指導・措置などを行います。

基本的に「児童虐待の可能性がある」という通報を受け付けてから48時間以内に対象となる児童の安全確認が行われます。

それと同時に様々な機関と連携して学校・保育園生活での状況・家族構成・住所・名前などが調査され、安全確認で得た情報と合わせて「虐待の可能性はあるのか・指導が必要か」などを検討。

安全確認の段階で48時間以内に安否を確認できなかった場合は、児童福祉司が自宅まで足を運び安全確認を行います。

2.家庭や子どもについての相談

児童虐待への対応を行っている機関というイメージが強いですが、児童虐待以外にも子育ての悩み相談も受け付けています。

的確なアドバイスをもらうことができる他、どうしようもない場合は、児童福祉司が介入してくれるのです。相談の内容は大きく4つに分かれます。

①養護相談

子どもの両親が死亡・行方不明・入院・離婚などにより養護が困難である場合の相談対応も児童相談所の役割です。また、虐待を受けている子どもの養護に関する相談も行っています。

②心身障害相談

障害児・発達障害などの重度な心身障害を抱えている子どもに関する相談も行っています。「他の子どもより話すことができない」「歩くのが遅い」などの悩みにも的確なアドバイスをもらうことが可能です。

③非行相談

子どもの万引き・深夜徘徊・喫煙・飲酒などの非行に対して、子どもに直接に働きかけたり、親としてどのような行動を取るべきかの相談も受け付けています。

非行はエスカレートすると重大な事件に繋がるおそれもあるため、少しでも悩みを感じた場合や非行が悪化した場合はすぐに相談してみましょう。

④育成相談

育成相談は主に、子どもの性格や行動・不登校などに関する悩みの相談です。片親の家庭や両親共働きの家庭などは子どもとのコミュニケーションの時間を十分に取れない傾向にあり、この悩みを抱える場合が多いようです。

3.子どもの一時保護

子どもの一時保護は「虐待が確認された場合」「虐待のおそれが感じられる場合」「子どもが親に怯えている場合」「虐待以外にも子どもを家庭から離して保護する必要が感じられる場合」などに行われます。

一時保護の有無の判断はとても難しく、判断を間違えた場合、最悪親の虐待によって子どもが亡くなってしまうおそれもあるのです。

一時保護された子どもは一時保護所という施設で年齢と成長に相当した生活を送ります。一時保護は、子どもの身の安全を守ることが最優先されますが、最低限の生活上のルールを守るように指導されます。

中には、一時保護所から逃げ出そうとする子どももいますので、職員の方は苦慮されることもあります。 

子どもが虐待を受けている可能性がある場合は「189」に相談

児童相談所には「189」の3桁のダイヤルで簡単に相談・通報をすることが可能です。「189」のダイヤルが普及した後、年々虐待の可能性を示唆する通報が増えてきてはいますが、いまだに虐待により死亡する児童が絶えません。

児童相談所や「189」の存在を知っていたとしても、「通報してもいいのか」と足踏みをしてしまうのが現状です。

児童相談所の対応は上記に示したようにあくまで、児童の安全確認を行うものであり、児童虐待を疑う調査ではありません。

「最近子どもがよく泣いているな」「罵声が聞こえるな」と感じただけでも「189」へ通報してください。

一本の電話で幼い子どもの命を救うことができるのです。

「189」は電話を発信した地域から一番近い児童相談所に繋がり、職員が対応してくれます。もし、特定の地域の児童相談所に連絡をしたい場合はこちらのページを参考にしてみてください。 

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv30/zisouichiran.html

まとめ:児童相談所と地域が連携することが重要

今回この記事で児童相談所という機関と役割について解説してみました。この記事を読んで「189」のダイヤルを知ったという方もおられると思います。

もし少しでも周囲の子どもに違和感を感じる場合はすぐにでも児童相談所に相談してみてください。

また、児童相談所で対応できる内容や量も限られています。そのため今後は児童相談所だけに児童虐待や子育てのことを任せるのではなく、地域で子どもを育てる意識を強めることがとても重要になってきます。

「最近あの子の顔見ないな」「最近顔色悪いな」などのちょっとした意識が地域の子どもを救うことになるのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です