痴漢をしてしまうのはなぜ?痴漢を犯す心理と対策を紹介

通勤や通学に電車を利用する女性で痴漢に遭ったことのある人は多いでしょう。近年では男性が被害に遭うケースもあるようです。

痴漢は性犯罪であり、許されるものではありませんが、すし詰め状態の混雑した中では犯人の特定が難しく、えん罪の問題も指摘されています。

また、痴漢は再犯率が高く、やめたくてもやめられない病気としての側面もあります。

今回は痴漢の心理、被害に遭った場合の対策法、痴漢をなくすためにはどうすればいいのかを考えてみたいと思います。

なぜ痴漢するのか?痴漢の心理

軽く見過ごされがちですが、痴漢は性犯罪の一つであり、各都道府県の迷惑防止条例違反、そして悪質な場合は刑法の強制わいせつ罪に問われる行為です。

痴漢行為をしてしまうのはなぜでしょうか?その心理を分析してみましょう。

性欲を抑えられないという単純な理由だけではなく、加害者の認知のゆがみが大きな原因としてあげられます。

被害者が恐怖で身動きできずにいると、「痴漢行為を受け入れてくれている、喜んでいる」と思ってしまったり、「女性は男性の性欲を受け入れてくれるもの」と自分の都合のいいように解釈したりしてしまうのです。

自分より弱い存在を支配したい、優越感を味わいたいというゆがんだ支配欲も潜んでいます。

加害者の抱えるストレスが犯行の引き金になることもあります。

痴漢を誘発する環境

痴漢という犯罪は日本独特のものといっても過言ではないそうです。日本社会のどのような部分が痴漢がまん延する要因となっているのでしょうか。

要因の一つとして、まず満員電車があげられます。満員電車では普段ではあり得ないくらいに見知らぬ人と密着して過ごさなくてはいけません。

また、未成年でも目につく電車内の中吊り広告に性的なキャッチコピーが並んだり、コンビニでポルノ雑誌が売られていたりします。

ポルノの中にはレイプや痴漢行為を扱うものもあり、これらが痴漢行為を引き起こしている可能性は否定できません。

「露出の多い恰好をしているせいだ」「触られたくらいで減るもんじゃないし」といった被害者に非があるという視線や痴漢の被害を軽く見る意識も、痴漢がなくならない要因となっています。

痴漢に遭ったらどうする?自分を守る方法

満員電車の中で痴漢に遭った場合、どうすればいいでしょうか?

痴漢の加害者は黙って我慢していると「受け入れてくれている」と受け取ってしまいます。「あれ?」と思った時点できっぱりとNOの意思表示をしましょう。

一番いいのは今どういう状態にあってどうしてほしいのかを「お尻に手が当たっているようなので、どけてもらえませんか」といったように伝えることです。

難しい場合は、加害者は犯行がばれることを恐れていますので、大きな咳払いをする、声をあげるなどして周囲の注目を集めるのが有効です。

声をあげるのが怖い場合は、その場を離れても構いません。次の駅で降りたり、別の車両に移動したりしましょう。通勤通学の時間をずらす、友達と乗車するのもよい方法です。

また動けない状態であれば持っているカバンを加害者の方に持ち替えて密着を防ぐ方法もあります。

隣の人に「お父さん」と声をかけてみたり、知らない人でも「○○さん」と呼び掛けて知り合いがいるふりをしたりするのも効果があります。

ひだかあさん

痴漢に遭ったら、最初にきっぱりとNOの意思表示をしましょう。怖いのであれば逃げてしまっていいのです。
我慢しているとエスカレートするおそれがあります。

痴漢をなくすために。一人一人ができること

警視庁のホームページによると、2017年の東京都内で発生した痴漢の件数(迷惑防止条例違反)は1750件。しかし、これは氷山の一角で多くの人が痴漢の被害に遭っても泣き寝入りをしている状態です。

被害にあったら、可能であれば、被害届を出しましょう。被害届を出さなければ被害はなかったことにされてしまいます。ただし、痴漢の被害に遭えば、ショックを受けてそれどころではない場合も大いにあり得ます。

出すか出さないかを決めるのは被害者で、もし出せなかったとしても自分を責める必要はありません。

また、痴漢をなくすためには周りの力も必要です。えん罪をなくすためにも痴漢行為を目撃した場合は、被害者を孤立させないことが大切です。

「必要であれば、証言します」といった被害者への声かけ、急いでいる場合は鉄道警察に被害届を出すことを被害者にすすめ、自分自身は時間に余裕があるときに鉄道警察に出向いて目撃した事実を伝えましょう。

痴漢がやめられないのは病気。専門家に相談を

痴漢の再犯率は高く、平成27年判犯罪白書によると、44.7%。痴漢という犯罪をなくすためには再犯率を下げる必要があります。

痴漢行為をやめたいと思っているのにやめられない場合は、「窃触症」「強迫的性行動症」といった病気の可能性があり、きちんと治療すれば、痴漢をやめることもできます。

痴漢行為は犯罪であり、病気だから許されるというわけではありません。しかし、加害者を処罰するだけでなく、治療することによって痴漢という犯罪をなくすという視点もとても大切です。

相談窓口 痴漢をやめられない人の治療を行う病院などの医療機関

https://somec.org/ 

http://www.ohishi-clinic.or.jp/izon.html

 

ひだかあさん

どの犯罪にもいえますが、しっかり罪を償ったら再犯させないことが大事です。
再び罪を犯さないためにも痴漢がやめられない場合は専門家の力も借りましょう。

参考URL 

警視庁HP

https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/koramu2/koramu8.html

https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/koramu2/koramu3.html

https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/koramu2/koramu5.html

※再犯率についての資料

平成27年版 犯罪白書 第6編/第5章/第2節/6

http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/62/nfm/n62_2_6_5_2_6.html

参考図書

なぜ女は男をみると痴漢だと思うのか なぜ男は女の不快感がわからないのか(監修、石橋英子2003年6月 ビーケイシー)

 

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