【保護観察官を目指す人向け】仕事内容は?どうやったらなれるのか?

罪を犯してしまった人や非行少年が社会復帰し、再犯せず自立して生活していけるよう支援する保護観察官。

今回は保護観察官という仕事に関心がある人や保護観察官を目指したい人向けに、保護観察官の仕事内容や勤務場所、保護観察官になるための進路などについて解説します。

保護観察官とは

保護観察官とは、地方更生保護委員会事務局と保護観察所に置かれる法務省保護局に属する国家公務員です。

保護観察を行い、非行少年や犯罪者らを保護司など地域の協力を得ながら社会復帰させ、再犯しないように指導・援助をする「社会内処遇」に関わる専門家です。

保護観察官は職名で、官名は法務事務官です。人数は全国に約1000人で、法務大臣の委嘱を受けた非常勤の国家公務員(実質ボランティア)である保護司とともに、犯罪者や非行少年らの更生保護の仕事にあたっています。

保護観察って何?

保護観察官の主な仕事となる「保護観察」。保護観察とは何でしょうか。

刑務所や少年院などの矯正施設の中で行う処遇を施設内処遇というのに対し、社会の中で通常の生活をさせながら再犯・再非行を防止し、改善更生を図らせるのを社会内処遇といいます。

その社会内処遇の中心となるのが保護観察です。 保護観察は、犯罪者や非行少年の再犯を防ぎ円滑に社会復帰できるように国がつくった制度で、一般の人たちに害が及ばないよう犯罪者や非行少年の指導監督と、福祉的な補導援助を行う制度です。

保護観察の期間は法律で決まっており、個々人によって異なります。保護観察官や保護司と定期的に面談し、生活の状況を報告します。

ひだかあさんのコメント

犯罪者や非行少年らの更生、再犯防止のための仕事をボランティアの保護司と協力して取り組んでいるのが保護観察官です。

保護観察官の仕事

犯罪者の立ち直りを支援する更生保護の仕事にあたります。保護観察官は心理学、教育学、社会学、福祉など更生保護の専門知識に基づいて立ち直りの支援を行います。主な勤務場所は保護観察所と地方更生保護委員会です。

保護観察官の勤務場所1 保護観察所

家庭裁判所で保護観察処分となった非行少年や仮釈放中で保護観察になっている人たちを担当するほか、刑務所、少年院から出所した人たちの仕事や住まいなどの生活環境の調整にあたります。

さらに、更生保護活動の啓発、犯罪防止の活動も行っています。 また保護観察所には、保護観察官と、重大事件を起こしたものの責任能力がないと判断され、医療観察法の対象となっている触法精神障害者の社会内処遇に関する調整を行う「社会復帰調整官」が働いています。

社会復帰調整官は、精神保健福祉士や精神医学に関連する知識や経験を持つ社会福祉士や公認心理師等の資格を持っていて、保護観察官としての仕事も兼務しています。

保護観察官の勤務場所2 地方更生保護委員会

刑務所や少年院から出所して社会内処遇に移行してよいのかどうかを判断する調査、出所後に生活態度が悪かった場合等の仮釈放の取消、保護観察対象者の保護観察の解除、加害者の釈放に対する被害者の意見聴取、恩赦に関する事務などにあたります。

保護観察官の待遇

先ほども述べたように、法務省に採用される専門職の国家公務員。収入は安定しており、福利厚生もしっかりしています。

勤務地は原則、採用された地方更生保護委員会とその管区内の保護観察所となります。2、3年おきに異動し、昇任すると異動する地域が広くなります。

保護観察所は全国50か所です。 採用された後は、初めに保護観察所や地方更生保護委員会で一般的な事務の仕事をした後、保護観察官に任命されます。

保護観察官に任命されると、研修や保護観察官の仕事をしながら実務指導を受けることができます。

参考URL

保護観察官について(法務省) http://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/hogo02_00024.html#01

「保護観察官」法務省のパンフレット http://www.moj.go.jp/content/001128291.pdf

地方更生保護委員会・保護観察所の所在地 http://www.moj.go.jp/hogo1/soumu/hogo_hogo01-01.html

保護観察官になるには

法務省専門職員(人間科学)採用試験(保護観察官区分)に合格しなくてはいけません。

受験資格が大卒(卒業見込み)・短大・高等専門学校卒(卒業見込み)となっているので、心理学、教育学、社会学、福祉を勉強できる大学などを選びましょう。犯罪心理学を学べる大学もよいでしょう。

こんな人が保護観察官に向いている

保護観察官の仕事は非行少年や犯罪者との面接、保護司や関係機関との連携・調整など幅広く、それぞれ違うケースにどんな処遇がふさわしいかをいろいろな面から見て判断することが求められます。

知識ももちろん必要ですが、知識は採用後に研修で学ぶことができます。そのため、採用時には知識よりも非行少年や犯罪者の立ち直りに熱意をもって粘り強く取り組める、安全な地域社会をつくりたいという気持ちの強い人が求められています。

ひだかあさんのコメント

法務省専門職員(人間科学)採用試験には保護観察官区分のほかに矯正心理専門職区分,法務教官区分の試験もあります。犯罪心理学を学び、知識を生かした仕事をしたい人はこれらの仕事をチェックしてみてはいかがでしょうか。

参考URL

保護観察官の採用試験について

http://www.moj.go.jp/jinji/shomu/jinji05_00014.html

http://www.moj.go.jp/content/001312834.pdf

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