犯罪者は就職又は再就職できる?会社にバレる?前科者の就職支援は?

前科があると、就職又は再就職はできない?犯罪者であったことがバレたらクビになるかも…。そんな不安を抱えながら生活をしている人が身近にいるかもしれません。

仕事がなければ、生活をしていくことは難しく、就職ができるかどうかは人生に関わる一大事。刑務所や少年院から出所した人たちが再犯しないためには、安定した生活が営めることが重要です。今回は犯罪者や非行少年の就職又は再就職について考えます。

就職又は再就職の時に犯罪者とバレる?不利になる?

罪を犯してしまったという過去。前科は就職又は再就職のときにバレて不利になるのでしょうか?

少年時代の非行や犯罪歴にはなりません。また、交通違反の青切符(反則金)も前科にはなりませんが、刑事罰を受けた場合は「前科」となります。この前科は検察庁のデータベースで管理され、市町村の犯罪人名簿にも登録されます。犯罪人名簿の方は一定期間で削除されますが検察庁の方にはデータが残ります。

 前科は個人情報であり、役所や検察庁が個人や企業などに明かすことはなく、簡単にはバレることはありません。しかし、実名で報道されていたり、うわさなどが広がっていたりすると明るみになってしまうこともあります。

 最近の履歴書には賞罰を書く欄がなくなっていますが、指定された履歴書に「賞罰」を書く欄があれば、そこに刑罰を受けたことを書かなくてはいけません。また、刑務所などに入っていた場合、履歴書の職歴に空欄ができてしまい、不利になることがあります。また、前科があると就けない仕事もあります。

前科があると公務員にはなれないことも

禁固以上の刑を受けている場合は資格がないとされ、執行猶予付きの場合は執行猶予期間が終わるまで、実刑の場合は刑期が終わるまで公務員になることはできません。また、前科があれば、受験の際に不利になることが考えられます。

そして、前科があると取れない資格もあります。弁護士は禁固刑以上の刑を受けるとなれませんし、医師も罰金以上の刑や医事に関係する罪を犯していると免許が交付されないこともあります。

ひだかあさんのコメント

最近は一般の履歴書には前科を書く欄はなっていますが、、前科があると就職に不利になることが多く、前科を隠して就職して後でバレたら虚偽の申告をしたとして解雇されることもあるのも事実です。ですが、道はあります。

犯罪者の就職又は再就職先、就職支援はあるか

犯罪者になると、就職又は再就職が不利になってしまいます。しかし、仕事がなければ暮らしていくことができず、再び犯罪に手を染めるという悪循環に陥ってしまいます。そこで、国も犯罪者の就労支援に乗り出しています。

公的な支援としては法務省が「コレワーク(矯正就労支援情報センター)」を設置し、ハローワークを通して受刑者と企業のマッチングの場を設けています。「受刑者専用求人」を扱っている企業を紹介しています。

「受刑者専用求人」は受刑者以外の一般には非公開の求人で、ハローワークの職員のみが検索できるようになっています。全国のハローワークで取り扱っているので、希望する地域や職種がないか問い合わせてみてもいいかもしれません。

また、一部の刑務所ではハローワークの就職支援担当者が受刑者に職業相談や仕事の紹介などを行っており、前科があることを開示することを条件に相談に乗っています。刑務作業や職業訓練など入所中の経験が生かせ、仕事と住まいが確保できるという条件を重視し、寮のある仕事を紹介することが多いようです。ただ、どうしても前科を明らかにしたくないけど、就職口は探したいという人もいます。そういう人のために準就労支援という制度もあって、就職口についての情報提供のみを行います。

職種は人手が不足している建設、土木の作業員やドライバー、調理補助などが主ですが、溶接や板金、電気工事などの訓練を生かした仕事も。ほかには一般の求人者を対象とした公共職業訓練を受けて就職する事例もあります。

民間でも刑務所や少年院から出所した人たちの再就職を応援する団体もあります。日本財団(公営競技のひとつである競艇の収益金をもとに、海洋船舶関連事業の支援や公益・福祉事業、国際協力事業を主に行なっている公益財団法人)は2013年から「日本財団職親プロジェクト」を開始し、受け入れ企業を募っています。 

法務省のコレワークについて

日本財団による「日本財団職親プロジェクト」HP

再犯を防ぐためにも就職又は再就職を

国の調査によると、2016年に刑法犯で検挙されたうち再犯者は48.7%と約半数を占めていました。実際には犯罪者の総数は近年減少傾向にあるのに、初犯者数の減少がそれを上回っているため、再犯率は高まっているという状況もあります。そうであっても、再犯者で刑務所入所時に無職であった人は72.9%にも上ります。仕事があれば、再犯は防げたかもしれません。

国も再犯者の割合が増えていることを受け、2016年に「再犯の防止等の推進に関する法律」を定め、刑務所から出所した人たちの再就職、住まいの確保のための支援を拡充しています。犯罪を減らし、安心安全な社会をつくるためにも、再犯を減らすことが大切です。犯罪者という偏見を捨てて、彼らに再びチャンスを与えられるか社会も問われているのです。

これは、あまり世間では知られていないかもしれませんが、近年は、検察庁で不起訴となった人についても就労面でサポートするような働き掛けが行われるようになっています。そういった努力も犯罪の減少にも役に立っているのかもしれませんね。

ひだかあさんのコメント

安心安全な社会をつくるためには犯罪を減らすこと。犯罪を減らすためには再犯をしないで済むようにすることが大事です。

参考URL

初犯者と再犯者の再犯率や就労支援の実際についての調査結果(厚労省)

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