「模倣犯はなぜ事件を起こすの?」
「模倣犯はどんな心理なの?」
と気になっている方もおられるのではないでしょうか。
情報化社会が加速していく中で、情報源となるツールがTVのニュース以外でもSNSや動画があり、誰でも気軽に犯罪に関する情報を得ることができるようになりました。
犯罪に関する情報に触れた時、模倣犯はどのように考え、どのような心理に至るのか。
そこで今回は、模倣犯の心理と模倣犯が起こした事件について紹介していきます。
模倣犯について知りたいと思う方は是非記事を読んでみてください。
Contents
そもそも模倣犯の定義とは?
模倣とは、自分で作り出したものではなく、他人が作ったものを真似ることを示します。人間が成長していく中で、他人の行動や言動を真似することはとても大切です。
実際人間のほとんどは、親や友人などの言動などを少なからずも模倣し成長してきています。
しかし、模倣犯と呼ばれるのは、他人の犯罪に触発されて、自分でも犯罪を犯すことをさします。コピーキャットとも言われ、ドラマなどのフィクションの事件を模倣するケースもあるのです。
模倣犯が行動しやすい事件の種類
模倣犯が事件に手を染めるにはある傾向があります。それは、振り込め詐欺や住宅への落書き、放火、通り魔、スリなど比較的実行しやすい事件。犯罪へのハードルが低く、自分の意志一つで実行できることから模倣されやすいのです。
模倣犯の心理について
模倣犯は犯罪に至るまでに、模倣対象となった事件について知ります。
事件の全容や詳細を確認し、「もっとこうすればうまくいった」「ここを改善すれば捕まらずに済んだのに」と改善点などを洗い出すそうです。
犯罪の詳細などを知ったまでは、「犯罪はやってはいけないこと」という心理があるのですが、改善点などを洗い出していくうちに「自分ならうまくいく」という自信に代わり、犯罪意識が薄れていく傾向にあります。
自信が肥大化したとき、万引きや窃盗などの模倣犯罪を行うのです。
メディアが模倣犯を増やしている?
メディアの報道で犯罪の手口を知り、模倣犯となる場合がほとんど。
法律によって報道の自由は定められていますが、その報道により犯罪が増えているのであれば報道の範囲を規制すべきという声が多く挙がっています。
メディア側では、事件の手口について触れなかったり詳細は明確にしないなどの対策は行われていますが、模倣犯罪減少にはつながっていないのが現状です。
少しでも模倣犯罪を減らして、これ以上犯罪被害者を増やさないためにも、メディア報道の立ち位置が問われます。
ひだかあさん
日本で実際に模倣された2つの事件
今まで日本では様々な模倣された事件が発生しています。「この事件も模倣犯罪なの?」と思われる事件もあると思います。
そこでここでは、日本で実際に起こった代表的な2つの模倣犯罪ついて紹介していきます。
毒入りカレー事件
1998年に和歌山でおきた毒入りカレー事件(カレーを食べた67人が中毒症状を起こしうち4人が死亡した)。
事件について報道された後、全国で物に毒を入れる事件が頻繁に発生しました。同窓会で、学生時代にいじめられていた人のお酒に毒を入れた事件もあります。
このように全く同じ手口ではなくても類似した手口で模倣犯罪が行われました。
神戸小学生殺害事件
1997年に神戸で起きた小学生殺害事件。犯人は子どもを殺害してから、声明文のメモを残しました。犯行後、声明文を出すのは、この事件が模倣元となっていると言われています。
この事件が発生した直後に様々な模倣事件が各地で発生し、その模倣事件の模倣としてさらに犯罪が行われたケースもあるのです。
模倣犯予備軍の心理に呼びかけ行動を起こさせないために
初めの方でも少し触れましたが、人の行動や言動を模倣することは決して悪いことではありません。むしろ人間の成長を促すという側面もあります。
しかし、犯罪を模倣するのは絶対にしてはいけない行為。ちょっとした犯罪でも人生を狂わせることになります。
子どもの頃から犯罪を軽視したり、非行に走りがちな傾向が見られる場合は注意が必要です。
小さな呼びかけやアクションがその子の人生を大きく変えることもあるのです。
まとめ:模倣犯を防ぐために
模倣犯はストレスが肥大化した時に犯罪に至ることがよくあります。現代社会では、大人でも自分のストレスをうまく解消できないことが多いのです。
ストレスが溜まっていると思ったら少し運動をしたり趣味に没頭したりして気分転換を図ってみる、いつもより長く睡眠や休暇を取る、人と一緒に食事をしたり話を聴いてもらうなどの工夫をしてストレスを解消しましょう。
ストレスを軽減するだけでも、模倣犯となる確率を大幅に下げることができます。
友人や家族と蜜な関係を築き、犯罪を起こしにくい環境を形成することも大切です。
ひだかあさん