
少年刑務所という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、
「どのような施設なんだろう?」
「どのような生活スタイルなの?」
「少年院とは何が違うの?」
と疑問に思われている方も多いと思います。
そこで今回は少年刑務所の役割や生活内容、存在意義などについて詳しく紹介していきます。
少年刑務所について知りたい、学びたいという方はぜひ記事を読み込んでみてください。
Contents
少年刑務所とは

少年刑務所は26歳未満の若年男子受刑者を収容する施設です。
犯罪を犯した少年に罪を償わせる一方で教育にも力を入れ、社会復帰後の円滑な適応を促すことを目的としています。
少年院と少年刑務所の違い
少年院と少年刑務所の最大の違いは、収容される理由が「教育・保護」か「刑罰の執行」かという点です。
少年刑務所は16歳〜26歳未満の少年・若年成人の受刑者を収容する刑務所のことをいいます。刑事裁判で懲役や禁錮(現在は拘禁刑)といった刑罰の言い渡しを受け、その刑を執行される場所であるため、前科がつきます。基本的には社会復帰への適応を促すことを目的にした施設です。
それに対し少年院は、概ね12歳から20歳未満の少年を対象に、家庭裁判所の保護処分(少年院送致)によって更生を図ることを目的とした、福祉・教育的な性格の施設です。事情によっては、在院中に20歳を超えても最大26歳まで収容が続く場合があります。少年院送致はあくまで「保護処分」であり、刑事罰ではないため、前科はつきません。少年院では、生活指導や教科教育、体育などを通して、同年代の少年と同様に知識や体力を身に付けさせながら更生を促していきます。
少年刑務所の場所について
少年刑務所は全国に7か所設けられています。
少年刑務所へ送られることになった場合は、基本的には判決を受けた裁判所から一番近くにある施設に送られますが、共犯者も同時期に少年刑務所に送られることになった場合は、別々の施設に送られる可能性もあります。
下記に少年刑務所の一覧を記載しました。
- 函館少年刑務所(北海道函館市金堀町)
- 盛岡少年刑務所(岩手県盛岡市上田字松屋敷)
- 川越少年刑務所(埼玉県川越市南大塚)
- 市原青年矯正センター(千葉県市原市磯ヶ谷):知的障害・発達障害がある受刑者を専門に収容する施設として2023年開庁。
- 松本少年刑務所(長野県松本市桐) :施設内に公立中学校がある。
- 姫路少年刑務所(兵庫県姫路市岩端町)
- 佐賀少年刑務所(佐賀県佐賀市新生町)
少年刑務所施設内の生活は?
少年刑務所というと、規律の厳しい生活を想像される方も多いかもしれません。実際、かつて収容者数が多かった時代には、そうした側面が強調されることもありました。しかし、少子化により若年層の人口自体が減少している近年は、むしろ一人ひとりに対する手厚い処遇が特徴になってきています。
少年受刑者は心身がまだ未成熟であるため、厳しく罰することよりも、更生や社会復帰を後押しする指導が中心に据えられています。たとえば川越少年刑務所などでは、受刑者一人ひとりに担任の刑務官がつき、定期的な面談や日記のやり取りを通して、内面的な成長を支える取り組みが行われています。
また、以前から義務教育を終えていない少年受刑者のための学級が設けられていましたが、近年は発達障害や知的障害といった特性に応じた専門的な指導・福祉的な支援が導入されていたりと、個々の事情に寄り添った対応が進められています。
女性は少年刑務所がない?
男性には少年刑務所施設の区分けがありますが、女性の場合は犯罪率が男性よりも低いのが実情です。
服役する人数も少ないことから少年刑務所に相当するものが設けられておらず、年齢制限などがない一般の女子刑務所で服役することとなります。
現在の施設や制度では、しかたないことではありますが、親御さんからすると少し不安に感じることもあるでしょう。
しかし、女子刑務所の中では、年齢が若いことについて配慮した処遇が行われますので、余り心配する必要はありません。
少年刑務所が抱えている問題

少年刑務所は本来の収容者が減少する一方で、26歳を超えた初犯の受刑者も一緒に収容される傾向があります。
実はこの背景には、単なる「はみ出し」ではなく、制度上の理由があります。刑事施設の処遇指標には「Y指標」と呼ばれる区分があり、これは「可塑性に期待した矯正処遇を重点的に行うことが相当と認められる26歳未満の成人」を指します。つまり、少年刑務所は名前こそ「少年」ですが、制度上は20歳未満の少年受刑者だけでなく、このY指標に該当する20歳以上26歳未満の若年成人も正式な収容対象になっているのです。実際の被収容者数を見ると、むしろこのY指標の若年成人の方が多数を占めています。
とはいえ、施設によってはY指標の枠を超えて、介護を要するような高齢の受刑者も含まれているのです。そうしたことのため、年齢などにより教育の内容や刑務作業の内容、運動会などの行事、食事なども見直さなくてはいけなくなっています。
2025年6月の刑法改正で懲役刑と禁錮刑が拘禁刑に一本化されたことに伴い、処遇の内容も対象者に応じてより柔軟に見直されており、多様な対応が進められています。

ひだかあさん
少年刑務所で行われている取り組み

少年刑務所では未成年の受刑者については,成人受刑者よりも教育などのプログラムに割り当てる時間を多くとります。
教育やプログラムは個々に違いがあり、性犯罪で服役した受刑者は性犯罪について、薬物関係の受刑者には薬物犯罪に特化したプログラムが実施されることとなります。
少年刑務所は職業訓練にも力が入れており、総合職業訓練施設に指定されている少年刑務所も全国で3箇所あります(函館、川越、佐賀の各少年刑務所)。それぞれ、専門家講師を招いて指導を行ったり、職員が資格を取得した上で指導を行ったりしています。
一方、人により抱えている心理的な問題が大きいため、個別のカウンセリングも必要に応じて行われています。
少年刑務所を出所した後は?

少年刑務所を出所後は、学校に通う人もいれば就職して一般企業で働く人方もいます。
少年刑務所では厳しい指導を行いつつも、社会復帰するためのプログラムも行われているため、そのまま企業に就職するケースも少なくありません。
中には、少年刑務所出身者を多く採用している企業もあり、真剣に更生をしようとしている人には温かい道が開かれています。
まとめ:少年刑務所は時代に合わせた変化を求められている
幅広い年齢層の受刑者を収容せざるを得ないなど、少年刑務所は今もいろいろな課題を抱えています。カウンセラーや医師といった専門職の人材が足りていないという現実的な問題もあります。
少年受刑者にとって、実際に必要なのは、誰かに導かれるということよりも、本人が自分の力に気づき、それを使って自分の足で道を切り開いていけるようになることだと思います。
少年刑務所での時間が、そのための土台になれば、と願っています。

ひだかあさん

はじめまして。今日息子から手紙が届いて、盛岡の少年刑務所に入ったとの事です。
中学時代からかなり悪さをしていて、少年院に二回送致されました。
以前、ケーキの切れない非行少年という本を読み、共感させられる部分が沢山あり、更生にコグトレをするといいと書かれていて、息子をはじめ悩んでる親御さんも沢山いると思うのですが、私自身どうしたらいいか、情け無いですが、わかりません。
その、コグトレを施設で実施していただく事はできますか?
よろしくお願い申し上げます。
IKさん
息子さんのことがご心配でしょうね。
本を読んだら当てはまると思われるのですね。
少年院や刑務所の中では、次に何をやればいいのかが決められているので、
ふだんは社会内での生活になじみにくい子どもや大人も、無難に生活できたりします。
少年刑務所では、再犯防止教育にも力が入れられていますが、特に26歳未満の方に対しては、より教育に力を入れた指導を行っています。
刑務所での処遇や指導の内容は、個々の刑務所に確認しないと分からないところがあります。
もし気になられるようでしたら、刑務所にお尋ねになって見られてはいかがでしょうか。
お尋ねになる際は、まず盛岡少年刑務所の分類宛てに、ここにいただいたような内容の手紙をお送りいただき、その上で面会にいらっしゃるなどして直接分類の職員にお尋ねいただくのがよろしいかと思います。
ただ、問題は社会内に戻ってからの生活の方です。
少年刑務所から出所する際に、仮釈放が認められれば、保護観察所や担当保護司さんの指導を受けることになりますので、息子さんが出所される前から受け入れ準備を整えていきましょう。
保護観察所には、社会復帰調整官という立場の方がおられて、色々サポートしてくれると思います。
息子さんの再犯を食い止めるためには、お母様一人の力では難しいです。
周りの方の力も借りながら、環境を整えて息子さんがうまく生活になじんでいけるようにいたしましょう。
施設に行くのは大変かもしれませんが、息子さんの力になります。
一度でもいいので、どうぞ面会にいらっしゃってください。
万が一面会にいらっしゃるのが難しい場合は、保護観察所に連絡して相談してみられてはいかがでしょうか。
もしまた何かありましたらどうぞ御遠慮なくお尋ねください。
どうぞよろしくお願いいたします。