万引き依存は治らない?万引きの再発防止策とは

 

販売されている商品を代金を支払わずに持ち去る行為、万引き。その万引きを何度も行なってしまう事を万引き依存と呼びます。

万引き依存は、「お金がない」「この商品がほしい」と言う理由だけでなく、精神疾患などが原因となっている場合もあります。

万引き依存は、人により重症度はまちまちです。この記事では大きく、軽度・中度・重度に分類して考察していきます。

重度の場合、窃盗罪として罰を受けても再び万引きを引き起こす可能性が高いです。

そこで今回は、万引き依存と、万引きの再発防止について紹介していきます。

友人や家族など、周囲に万引き依存と思われる人がいる方は、ぜひ記事を参考にしてみてください。

行為依存とは

万引き依存は行為依存に分類されます。万引き依存以外にもギャンブル依存やゲーム依存・スマホ依存・インターネット依存なども行為依存に含まれます。

行為依存は、身体的な症状が現れないため、外見だけでは周囲の人に気付かれにくいという特徴を持っています。

しかし、依存となる対象行為に対する執着心がとても強いため、行為を続けるために金銭トラブルや、盗みなどの犯罪を引き起こす可能性があるのです。

重症度で違いが現れる万引き依存の症状の違い

万引き依存と一口に言っても、態様は様々で対処法や治療法も異なります。

ここでは、軽度・中度・重度に分けて、それぞれの万引き依存について見ていきます!

軽度の万引き依存

万引き依存の中でも一番依存性が低く、適切に対処すれば比較的早めに治るレベル。

病的と考えるほどの反復性はなく,ストレスや物に対する欲求を抑えられずに万引きを繰り返している可能性が高いです。

まだ子どもなら厳しく叱るなど、ある程度行動を規制する一方で,ストレスの原因となっていることを本人と一緒に探し,それに対してアプローチすることで万引きが収まっていく可能性があります。

万引きを心のSOSのサインと考え,「よくサインを出してくれたね」といった感じで万引きを起こした本人と周りの環境に目を向けて,改善すべき点があったら改善していきましょう。

中度の万引き依存

軽度の万引きとは違い、依存している期間がさらに長いのが中度万引き依存。

ここで中度というのは,万引きをしたことによって数回は店のオーナーや店員に見付かって,交番に通報されたりしたことはあっても,家庭裁判所での処分や地方裁判所での処罰を受けるまでには至っていないレベルのことを指しています。

このレベルになると,自らの努力や周囲の方のサポートで治まるることもありますが、なかなか治りにくい場合もあります。

例えば,

感情や行動をコントロールする力が弱くて,欲しいものは盗るという行動が染みついてしまっている場合,

認知症があって社会的な行動が十分にとれなくなっており,レジに並ぶのが面倒だとか,お金を払わなくてもレジ袋に入れさえすれば持って帰れるなどと考えているような場合,

食べては吐くという行動を繰り返す摂食障害の人の中には,「どうせ食べても吐くのだから,買うのはもったいない」と考えて食品を万引きするような場合があります。

このレベルになると,自らの努力だけでは改善は困難になってきます。万引きを繰り返さないためにサポートが必要な場合は専門のクリニックなどに足を運ぶのもおすすめです。

重度の万引き依存

重度になると自らの努力や周囲からの 非専門的なサポートのみでは完治するのが困難な場合があります。

万引きを頻繁にする場合は、クレプトマニア(窃盗癖)という精神疾患が疑われます。過度なストレスや摂食障害が原因で発症すると言われており、最近では有名なスポーツ選手が発症し、注目を浴びました。

単なる摂食障害による万引きと異なるのは,お金を支払うのがもったいないという心理よりも,万引きするときの緊張の高まりと,首尾よく万引きしたときの解放感がたまらなくて繰り返すという点です。

このクレプトマニアには,もし万引きで検挙されて刑務所で服役したとしても,治療的な働きかけがないとなかなか治らないという特徴があります。

万引き依存の 再発防止策

万引き依存には適切に対処することで再発を防止することができます。

どんなに重度の万引き依存でも正しく根気強く対策を行うことで、完治させることができるでしょう。

ここでは再発防止法について詳しく紹介していきます。

精神科や専門クリニックへの通院

万引き依存に対する知識を有していないのであれば、まず精神科や専門のクリニックで受診しましょう。

万引き依存にのめり込んだ場合は、生活リズムが崩れてくるという特徴もみられます。そのため、まずは正しい生活リズムを整えることから始めることがほとんどです。

生活リズムを整えた後は、自己理解を深め、今まで欠かせなかった「盗み」が無い生活についての知識を深めていきます。

ただ、「万引きはダメな行為」と教えるのではなく、根本的な知識を蓄えつつ思考の調整を行なっていきます。

自助グループへの参加がおすすめ

自助グループはセルフヘルプグループとも言われており、共通の問題を抱えた人々が集まり、問題解決に向けて意見し合うという治療法の一つです。

万引き依存の方はもちろん、その家族も参加することが可能です。依存行為に対して、ある程度回復傾向がみられる方とコミュニケーションが取れるため、自分が完治した姿をイメージすることができます。

1人で治すというより、「グループ全体で依存症完治に向けて正しい習慣を身に着ける」という意識が強いため、孤独感を感じずに依存症に向き合えるほか、再発防止に向けて万引きを行うまでの思考のプロセスなどについても学ぶことができます。

まとめ:ストレスへの対処法が重要

万引き依存は、ストレスが大きく関係している場合が多いです。

人間は騒音や人混みなどちょっとしたことでストレスが蓄積します。

そのため、定期的にストレスを解消することが大切です。

運動・休息・食事・趣味に没頭することでも構いません。少しでも自分がリフレッシュできる方法を見つけ、ストレスを解消しましょう。

少しでも「疲れているな」「ストレスが溜まりすぎているな」「最近休めていないな」と感じた場合はすぐに休息を取ることをおすすめします。

特に,脳は単に休息をとっても休まらず,別のことをすると休まるという特徴もあります。ですから,法に触れる行為以外で楽しめることを見つけて行うことも脳のリフレッシュにつながります。

自分の体より大切なものはありません。まずは、ストレスを溜め込みすぎない・何かあったら人に相談するということを習慣付けましょう。

 

「万引き依存は治らない?万引きの再発防止策とは」への2件のコメント

  1. 昨年今年と、窃盗しました。昨年は婚約指輪なくしたと勘違い。今年は家族間のトラブルから、窃盗に走り、自分にブレーキがきかない状態です。両方とも、警察のお世話になり、今年は、富士の樹海に行こうとして、東京迄行き、お金足りず、帰って来ました。今までのストレスが爆発した感じがします。やはり、専門の医師に見て貰った方が良いのでしょうか?

    1. ミネさん
      コメントありがとうございます。
      とてもストレスの強い状況の中におられる御様子ですね。
      専門の医師に相談なさるとしたら,窃盗専門のお医者様に診ていただくのが良いのではないかと思います。
      お薬を処方されてもそれで問題が解決するということは考えにくいので,ちゃんと話を聴いて相談に応じていただく方がいらっしゃるところを探した方が良いと思います。
      もし近くにそういうお医者様がいらっしゃればいいのですが,そうでない場合は,お近くの少年鑑別所に併設されている地域少年支援センターに相談なさることをお勧めします。
      メールでの相談を受け付けている場合には,遠方でも対応してもらえるでしょう。
      少年ということばにひっかかりを感じられるかもしれませんが,大人の方の相談にも応じています。
      以下のURLを参考になさってください。
      このページの下の方にメール相談ができるところも記載されています。
      https://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei_k06-1.html
      どうぞ参考になさってください。

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