少年犯罪の指標とされる少年法とは?適用年齢・処分の違い・流れを解説

 

テレビなどでたまに目にするであろう少年法。しかし、学校では詳しく習うことがないことから、少年法についてあまりわかっていないという人が多いと思います。

そこで今回は、少年法について解説していきます。

「少年法がよくわからない」「少年法が適用された後の流れは?」など疑問に思っている人は是非参考にしてみてください。

少年が犯した罪に対して適用される少年法とは?

少年法とは文字通り、非行を犯した少年(未成年)が犯した罪に対して家庭裁判所が判決を下す基準となる法律です。

少年法は1922年(大正11年)に制定された旧少年法が、第二次世界大戦後の1948年に全面改正されたもので、その後何度も一部改正がなされてきています。

非行の中には、薬物の使用や窃盗などの犯罪行為も含まれますが、少年法ではいったいどのように取り扱われるのでしょうか?

少年法では「健全育成を期す」という目的で、未成年者の可塑性に着目し、刑事処分を下すのではなく、家庭裁判所の判断に基づいて少年の保護更生のための措置をとることとされています。

その際、「審判に付すべき少年」として非行少年を次の3つに分類し、それぞれの分類に応じた対応がなされるようになっています。

  1. 犯罪少年:14歳以上20歳未満で罪を犯した少年
  2. 触法少年:14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年
  3. ぐ犯少年:20歳未満で一定の事由(ア 保護者の正当な監督に服さない性癖があること、イ 正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと、 ウ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入りすること、エ 自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあることの一つ以上に該当する)があって、その性格又は環境に照らして、将来罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年

少年法が適用される年齢

少年法が適用される年齢は、未成年者(20歳に満たない年齢の者)を対象にした法律です。20歳以上は刑事事件として法律で裁かれることになります。

数え年ではなく、その事件を犯した時の実年齢で少年法を適用されるかどうかが、変わります。

詳しく言うと、少年法がまるまる適用されるのは、犯行時も逮捕時も審判時も未成年であった場合です。そのため、犯行時に未成年でも、逮捕されたのが20歳の誕生日の直前というような場合は、20歳前に少年審判を終えるように急いで対応がなされます。

もし犯行時には未成年でも逮捕されたのが20歳を超えていたような場合は、大人としての審判を受けることになります。ただし、犯行時の年齢を考慮して、実名報道はしないことになっています。

ただし、そういうケースであっても、死刑が確定した場合には、その後社会復帰する見込みがないという理由で実名報道されることもあります。

刑事事件と少年犯罪の処分の違い

刑事事件と少年犯罪の処分の仕方には根本的に目的に違いがあります。

刑事事件の場合は、犯罪を犯した人に罰を与え、応報的側面(犯した犯罪に対して犯人に苦痛を与える)・一般予防(社会の一般人に警告を発し、犯罪を予防する)・特別予防(再犯を防止するために受刑者の教育を行う)の3つを目的とされています。

しかし少年犯罪の際に使用される少年法はあくまで、保護処理を行う手続きであり、少年の健全育成が目的とされています。

簡単にいうと、刑事事件は罪をつぐなうために、少年犯罪は少年を正しい道に導き、社会人としての生活を送ることを目的とされているのです。

ただし、刑務所を出所したばかりの人が駅に放火したり、再犯して刑務所に戻る人が多くいることから、近年は刑事事件を起こした者に対しても、再犯を防止するための教育を施すことに力が入れられるようになっています。

少年犯罪を犯した後の流れ

少年犯罪を犯した場合は、以下のような流れとなります。

引用:(http://www.kensatsu.go.jp/gyoumu/shonen_jiken.htm

少年院・少年鑑別所・少年刑務所の違い

上記の表にもあるように少年院・少年鑑別所・少年刑務所という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。しかし、意外に違いを知らないという方も多いのが事実です。ここではそれぞれの施設の違いについて紹介していきます。

少年院

家庭調査官の面接や少年鑑別所での心理テストの結果などに基づいて行われる少年審判において、社会での更生が難しいと判断された場合に保護処分として収容される施設です。

少年院は刑罰を受ける場所ではなく、あくまで、矯正教育を行う施設です。

そのため、収容作業などではなく、学校と同様に勉学の時間が一日の大半を占めることになります。年齢によっては、社会復帰後職に困らないように資格の取得などを行うことも可能です。中学生や高校生と同年代の未成年者も同年代の子どもたちと大差ないレベルの知識を学ぶことができます。

少年鑑別所

少年鑑別所は、家庭裁判所で裁判が行われるまでに期間、対象となる少年の性格や動向などを鑑別するために設けられた施設です。各都道府県に最低1カ所は存在し、全国で52カ所あります。少年の性格や動向などを、様々な専門知識を利用し解明していきます。

特別に問題がない限りは、25日前後の収容期間となるケースがほとんどです。

少年刑務所

少年院と刑務所の間に位置する少年刑務所は、少年院などより比較的厳しい指導が入ります。

少年犯罪の中でも比較的罪が重く、すぐの更生が難しいと判断された場合に家庭裁判所での少年審判で検察官に逆送致され、一般の裁判所での裁判で懲役刑又は禁錮刑に処せられた場合に収容されます。

懲罰を科することに加え、自分の罪を反省して社会復帰するための教育を行うことに重きをおいた施設です。

少年刑務所は本来は26歳未満の男子受刑者を収容する施設として設けられましたが、近年は26歳未満の男子受刑者の数が減少し、それよりも年齢の高い受刑者の人数が増えていることから、かなり高齢の受刑者まで収容しているのが実情です。

(ネットにはいじめの情報も載っていますが、そういう記事を書いた方がイニシャルのみであったりして確かめにくく、かえって不安をあおることにもなりかねないので控えたいと思います。)

成人年齢が18歳に引き下げられたことにより起こる問題

2018年の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、様々な問題が懸念されています。法律の勘違いによる、未成年の飲酒・タバコ・ギャンブル。一部の地域ではこのような傾向がみられました。

また、民法で成人年齢が引き下げられたということは、少年法でも今後対象年齢が引き下げられる可能性があります。

少年法の対象年齢の引き下げが実施された場合、18〜19歳の未成年も刑事事件で裁かれる可能性が出てきます。今後は10代でも大きな責任力や自己判断能力が問われる時代が来るのかもしれません。

まとめ:日本で現行少年法ができたのは約70年前

わが国で最初に少年法(旧少年法)が制定されたのは1922年で約100年前、現行少年法が制定されたのは1948年で約70年前。

日本国の長い歴史から見ればその歴史は浅く、その時々の社会情勢に応じて改正が行われ、それについての賛否両論が唱え続けられている法律です。

近年は民法の改正により、今後少年法の適用年齢の変更についても論議されているところです。

日本の成人基準は世界的に見てもとても高く、18歳に引き下げたところで、世界の標準から見れば、決して低くなった訳ではありません。

そのため、日本人の未成年も世界の同年代と比べてもう少し自覚や責任感を強めていかなくてはいけないという見方があっても不思議ではありません。。

しかし、その一方では、肉体的な成長は早くても、精神的にはまだまだ未熟な少年に対して、「健全育成」を目的に教育的な 働き掛けを行う少年法の適用年齢を引き下げるべきではないという意見もあります。

他国の状況を見ると、ヨーロッパでは事案に応じて青年層を少年と同様に扱うところもあり、厳罰主義を推し進めてきたアメリカにおいてさえ、少年法適用年齢や社会復帰に配慮した処分を行う年齢を引き上げる動きが見られているとのことです。

したがって、民法の成人年齢に応じて少年法の適用年齢を引き下げることについては、よくよく慎重に検討する必要がありますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です