相談が鉄則!クレプトマニアを引き起こす3つの原因と5つの診断基準

 

お店などに陳列されている商品をお金を支払わずに持ち出す犯罪行為、万引き。

窃盗罪に部類され、少年であろうと逮捕されてしまう場合があります。

少年から老人まで幅広い年代の方が引き起こしてしまう万引きですが、商品を欲する精神が抑制できず行為に及んでしまう場合がほとんどです。

しかし、人によってはクレプトマニア、別名窃盗癖とも言える精神障害が原因により万引きを犯してしまっている方もおられます。

有名なスポーツ選手がクレプトマニアと診断されたということもあり一時は注目されましたが、詳細を知らないという人は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、クレプトマニアの原因や診断基準などについて紹介していきます。

クレプトマニアを引き起こす主な3つの原因

クレプトマニアは精神状態と深い繋がりがあり、大きく分けて3つの原因に分けられます。

ここではそれぞれの原因について紹介していきます。

過剰なストレス

仕事などで過剰なストレスが体にかかり、クレプトマニアを発症してしまう事例があります。適度にストレスを発散して入れば避けることができますが、抱え込んでしまうとクレプトマニア以外にもうつ病などの発症リスクが高まってしまうため、注意が必要です。

ストレスが溜まっていると感じた場合は、休息をとったり、適度に運動するなどしてリフレッシュしましょう。

うつ病

ストレス過多や過激なダイエットなどが原因で発症してしまう、うつ病。精神状態が不安定になる症状なため、うつ病発症中にクレプトマニアを併発してしまうことが多くみられます。

うつ病が疑わしい症状などが現れた場合は、医師に診断してもらった上で、抗うつ薬を正しく服用しましょう。うつ病を緩和させることがクレプトマニアの発症確率を下げることにつながります。

脳疾患

脳疾患と精神遅滞がクレプトマニアに関係しているのではないかとされています。これらは事前に防ぐことができる訳ではありませんが、脳疾患や精神遅滞の予兆がみられる人が周囲におられる場合は、より気にかけて行動を見てあげるのがいいかもしれません。

クレプトマニアを診断する5つの診断基準

クレプトマニアは日本だけではなく、世界各国でも発症がみられます。

そのため、世界基準のクレプトマニアの診断基準が存在するのです。

精神障害の診断と統計マニュアルの最新版『DSM-5』には以下の5つのクレプトマニアの判断基準が表記されています。

  1. 個人的に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗ろうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
  2. 窃盗に及ぶ直前の緊張の高まり
  3. 窃盗に及ぶときの快感、満足、または解放感
  4. その盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものではなく、妄想または幻覚への反応でもない。
  5. その盗みは、素行症、躁病エピソード、または反社会性パーソナリティ障害ではうまく説明されない。

クレプトマニアの治療法

クレプトマニアの治療法は、「洞察指向的精神療法」や「精神分析」が有効だと言われています。

病院の精神科やクレプトマニアの専門医に診断をしてもらい、医師の指導のもと正しくクレプトマニアの治療を行いましょう。

クレプトマニアは精神疾患なため、法的に罰せられたところで再発してしまうことがほとんどです。

また、治療法自体も患者自身の自発性が求められるため、思うように治療が進まないのも確か。

完全にクレプトマニアを治療するためには、「自分を変えたい!」という強いいしが必要と言えるでしょう。

もし周囲の方でクレプトマニアに悩んでいる方がおられるのであれば病院の受診を薦めてあげてください。

自助グループ(http://www2.wind.ne.jp/Akagi-kohgen-HP/Kleptomania_meeting.htm)に参加するのもおすすめです。

実際にクレプトマニアと戦っている方やクレプトマニアを克服した方たちを目の前に大きな心境の変化が現れることもあるでしょう。

クレプトマニア患者全員に当てはまる訳ではありませんが、抗うつ薬や電気けいれん療法でも症状の緩和がみられたケースも存在します。

いずれにせよ、思い込みで行動するのは危険です。客観的にみてどうかということを知ることが大切ですので医師の診察を受け、正しい対処法を一緒に模索してみてください。

可能であれば、病状をより深く理解し、適切な治療を選択できるよう、セカンドオピニオンを得ることをお勧めします。その際は、主治医に対してセカンドオピニオンを受ける旨を伝え、紹介状を書いてもらいましょう。

もしセカンドオピニオンを受けた結果、転院したいと考えるのであれば、最初に受診した病院に結果を伝え、転院したい旨を伝えましょう。

まとめ:自分1人で抱え込まず相談する

クレプトマニアということを人に話すことはとても抵抗があることで、自分から他人に切り出すのは確かにハードルが高いです。

しかし、クレプトマニアを治療していくにあたり、家族やパートナーはとても重要な存在。

そのため、クレプトマニアの周囲の方たちは、クレプトマニア御本人の声に耳を傾けることがとても重要です。

ただ話を聴いてあげるだけでも構いません。あなたに話したことがきっかけで、クレプトマニアが緩和されることも考えられるのです。

もし周囲にクレプトマニアの方がおられるのであれば進んで密なコミュニケーションを取るようにしましょう。

「相談が鉄則!クレプトマニアを引き起こす3つの原因と5つの診断基準」への2件のコメント

  1. お疲れ様です。
    21才の長男が窃盗事件を起こしました。
    原因を考えるのですが、よくわかりません。
    クレパトマニアの可能性も考えると思います。
    診断を受けたいと考えています。

    1. 鹿児島 父 様

      コメントありがとうございます。
      息子さんが窃盗事件を起こされたとのこと。
      診断を受けさせることもお考えのようですが,
      まずは息子さんが窃盗事件を起こした状況を
      客観視なさることをお勧めします。
      相談なさるとしたら,各都道府県の少年鑑別所に併設されている
      『法務少年支援センター』への相談をお勧めします。
      対象者は少年から成人まで年齢霊験はありません。
      非行や犯罪について詳しい臨床心理の専門家が相談に応じます。
      機関の性質上,診断はしませんが,可能な限りの助言をします。
      全国共通相談ダイヤル(0570-085-085)に電話をすると,
      最寄りの法務少年支援センターにつながります。
      大切なのは,御本人の意志と御家族の理解と協力です。
      このホームページの相談についての項目も参考にしていただければ幸いです。

      法務少年支援センターについての情報
      https://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei_k06-1.html

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